合気道について
合気道のはじめ
- 合気道は、古流柔術、講道館柔道、武田惣角の大東流柔術などの柔術と神陰流剣術、銃剣術などを学んだ植芝盛平翁（1883～1969）により、昭和時代に入ってから、創始された武道です。
- １９３６年頃から合気武道、１９４２年に正式に合気道の呼称が用いられました [11]。
植芝盛平翁 AIKIKAI FOUNDATION
合気道の技と哲学
- 合気道の技は、相手の力・動きを導いて、投げ、制するものです。これは、西洋にはない日本柔術の特長と考えられます [12].。合気道は、この特長を極め、相手よりも小さい力で投げ、制することのできる合理的な技の集合を構築しています。
- しかも、相手が自然に技に導かれるためには、勝とうという気持ちを持たず、相手に敵対する力を作用しないことが、肝要であるという技の論理が合気道にあるように思われます。
- 開祖は、日本古来のの神道などを学び、武道の根源は神の愛で、万有愛護の精神（宇宙自然に調和する心）であり、相手を傷つけ、打ち負かし、破壊するのは、人間がなしうる最悪の行為で、武士（もののふ）の正真正銘の道はそうした残虐行為を防止すること、平和の業、愛の力であるという悟りを得ました [11], [13]。
- 合気道の根底にある。この哲学が、相手に敵対せず、相手が自然に投げられ、制される合気道の技の集合と融合して、合気道を奥深いものにしています。
合気道と宗教について
- 合気道の当道場の宗教に対する基本的な立場は、基本的人権としての「信教の自由」を尊重するということに尽くされます。
- 開祖植芝盛平翁は、大正時代（1912-1926）に興った神道系新宗教大本教（京都府綾部市）と深い関係を持っていました。また、開祖は日本の神話、古事記 [14] などの神々を敬い、合気神社（茨城県笠間市旧岩間）を創建し、日々神を祭りました。[11]
- しかし、宗教を信じることで、合気道が上達し、開祖の技の域に近付けると考えることは、科学的・合理的ではありません。
合気道と超自然的な力について
- 合気道の技の説明に、「気」や「呼吸力」という言葉がつかわれますが、それらは超自然的な力を指しているのではなく、心と体の鍛錬法を表したものと考えられます。
- その技が人の能力を超えたものに見えたとしても、物理学、心理学、生理学など科学で説明されるものです。たゆみない稽古によって獲得された、精緻な心と体の制御と動きによってなされています。
